卒六の会

※この記事は『木枯の森』を飲んで書かれた。

↑香りが強く、口に含んでもなお強く鋭い香りが押し寄せる。

卒六の会

僕の出身高校には卒六の会という文化がある。「卒業六年目の同窓会」だ。浪人生も修士もだいたい社会に出るタイミングということで6年目になっているらしい。特に注意書きがなかったので普段着で行ったら周囲は全員スーツ着用で面食らった。だが僕は来年以降もこの格好で働くので、そういうアピールとしては有効だったかもしれない。就職先の社名の認知度は9割ほどだったが、そのうち半数程度は現在の苦境についても知っていた。

いろいろな人と近況を話し合った。皆驚くほどいい就職をしているという印象だが、そもそも5000円の会費をPONと支払って同窓会に現れるのはそういう人に偏っているのかもしれない。出席率は目算で6割程度だった。

自分の高校の友人が意外に多かったことを認識するとともに、大学に入って以降それらの友人と疎遠になっていたことを後悔した。研究が忙しかったという言い訳はあるのだが…

高校の友人は趣味や専攻の偏りが少なく、幅広い分野の話が聞けたのも興味深かった。メーカーや銀行の友人は「AIで事務職が不要になっている」と言い、医学部の友人が「AIに診断ができるようになる」と言う一方で広告代理店からAIベンチャーに移った友人が「AIに病気の診断させてる」と話しており、ひとりひとりの声から社会の変化の大きなうねりを感じ取ることができた。

平成ネット史(仮)

帰宅してNHKの『平成ネット史(仮)』を見た。宇野常寛がちょくちょくやたらとデカイことを言い出すのには閉口したが(露骨に態度に出るホリエモンに笑った)、全体としてよく整理されていて面白かった。宇野氏の分析でも「とにかく目立っている人を叩く文化と二次創作文化はパラレルである」という話は興味深かった(内容のない感想)。落合陽一が自分の経験を語る役割に徹していたのもいい。一方で池田美優に典型的な無知な聞き手役を求めていたのは嫌だった。

ダーツの旅

※この記事は『金麦』を飲んで書かれた。

暇な日や何かから逃避したい日はダーツの旅をする。比喩ではない。

東京23区 ダーツの旅

今日は友人と新宿区左門町に行った。自らに課すルールとして「wikipediaに載っている施設をコンプリートする」というものがある。左門町は以下の4つだ。

  • 於岩稲荷田宮神社(お岩稲荷)
  • 陽運寺
  • 四谷警察署
  • 創価学会戸田記念国際会館

見てわかるように宗教施設が多い。よくあるトラップは実際にはそのエリアにない施設が載っていることだ。たとえば四谷警察署は左門町にはない。他にもそのエリアを学区としている学校がそのエリアにないのに載っていたりもする。

この遊びは普段通り過ぎるだけの街を見て回るところに楽しさがある。店が多いのか住宅が多いのか。新しいか古いか。電信柱はあるか。子供は多いか。街には様々な表情がある。

どれだけ技術が発達しても人間はどこかに住まねばならないし、Amazonで配達できない有形無形のサービスが存在する限りそこに街は発生する。

Ingressフィーバー

※この記事は『クリアアサヒ』を飲んで書かれた。

夜中にIngressをしに出かけたくなることがある。今日もそれで、90分くらい近所を歩き回ってきた。構築は楽しい。

Ingressはポータルを結んで(リンクして)三角形を作るゲームだ。このとき、包含関係にある複数の三角形を同時に作ることができる。どういうことか。

以下のような4つのポータルを考える。

最大の三角形はこうだが…

小さい三角形は複数作れる。

このとき、正しい手順で作れば大きい三角形1つと小さい三角形3つは全てカウントされる。その場合2つの三角形が重なっている状態となり、これを多重化と呼ぶ。これは2重だ。

いい位置にポータルがあれば多重化はどんどん続けることができる。これは3重。

これを始めるとやめられなくなる。実際にはリンクを貼るためのアイテム(キー)の枯渇、都合のいいポータルがない、既存リンクとぶつかるなどの事情で限界はある。そして何より足が疲れる。リンクを貼るためにはリンク先のキーを持っている状態でリンク元のポータルに行かねばならない。相当な計画性を持って作り始めないと多重化が進むごとに移動距離が伸びる。

レベルの差によってできることに大きな格差が生じるゲームもあるが、Ingressはレベル8を超えれば差はなく、むしろ体力・気力・経済力の勝負になる。いや、正確に言えば勝負ですらない。ある人は賽の河原に石を積み続けるゲームと評した。どんなに美しい多重を作ってもいつかは必ず壊される。それでも翌日笑顔で新しい多重構築に励める人間こそがこのゲームを一番楽しんでいる。

美味いビールは美味い

※この記事は『エチゴビール ホワイトエール ヴァイツェン』を飲んで書かれた。

最初にわずかに甘い香りがあり、その後ぐっと刺激が訪れ、最後に酸味を伴った苦味が広がる。美味い。

酒は好きだが肝臓は弱い。こんな僕にちょうどいいのがビールだ。ビールはアルコール度数がそれほど高くない。甘みと刺激があるのは炭酸飲料に似ていて好きだ。安いビールで酔いを楽しむのも良いし、クラフトビールの味を楽しむのも良い。

明日は友人とランチの約束だ。今の中央食堂にはクリスマス企画でのメニューがいくつかあるが、どれも大したことはない。チキンチーズカツの天下は揺るがない。しかし毎日通っても飽きないように定期的に新メニューを入れる食堂の方針はありがたい。

※この記事はいろんなビールを飲んで書かれた。

今日は友人宅で鍋をした。鍋は優れた料理だ。既製品のスープさえ買ってくればあとは任意の食材を切って放り込むだけで美味しく食べることができる。これは男の料理ポイントが高い。

が、今日ははしゃいで酒を飲みすぎた。絶対量としては大した量ではないが僕は許容量が少ないので辛い。

ダラダラ風邪

※この記事は『麦とホップ』を飲みながら書かれた。

東京に戻った頃からずっと朝に喉が痛み、鼻水が出る。ここ数日急に寒くなっているので風邪だろう。サクッと治したいのだがそう簡単にもいかない。

今日はボスの研究仲間が来日して大学院生向けにトークしてくれた。学習の話だ。我々は一度何かを学習すると、しばらくそれを使わなくても学習の結果は保持されており、再び使うときに素早く適応できる。このように「使わない学習結果をとっておく」機能はどのように実現されているかというのがテーマだった。この問題への回答となるモデルを提案したうえで実験参加者に3種類の学習を行わせ、モデルが正しければ生じるであろう結果のパターンを提示し、実験結果もそうなったという論法だった。

トークは英語だったが、心得がある領域の話ならそれなりにわかるし質問もできる。これは大事なことで「この領域の話ならそれなりにわかるし真偽の判断ができる」というものを持つことは大事なことなのだと思う。高須克也だって医療の話は間違えない。

鳥取の酒

※この記事は『弁天娘』『鷹勇』『しずく』を飲んで書かれた。

三宮で妹と会ったあと、特急で鳥取まで来た。瀬戸内海側から日本海側へ行くルートが想像できていなかったが、普通に山の中をいくつもトンネルをくぐって行った。

今日の鳥取は寒い。小雨と冷たい風に苦しめられながら高砂屋に行った。古い商人の家が保存されている。その後銭湯で温まり、宿に来た。宿はいわゆるホステルというやつで安いがプライバシーがない。一泊だけなのでいいだろう。ホステルで紹介された飲み屋で夕食をとった。欲張りだからいろんな酒を飲みたいが、肝臓の性能は劣っているので難しい。結局冒頭の三種のセットでひどく酔ってしまって現在進行形でつらい思いをしている。

明日は砂丘、白兎神社、仁風閣あたりを見て、約束の人と会ったら帰る。

PUNK IPA

※この記事は↑を飲みながら書かれた。

今日はいい酒を飲みたい気分だったので酒通の友人にビールのおすすめを聞いたところ、『PANK IPA』を勧められた。帰り道の酒屋で買った。

ひとくち含んだだけでメロンかと思うような甘い香りが広がり、舌への刺激は強くないが喉にはじっくりとした刺激がある。美味い。

美味いものを飲み食いすることは人生において睡眠と並ぶ価値を持つ。

バイアス

※この記事は『クリアアサヒ』を飲みながら書かれた。

僕がブログを書くのは決まって夜だ。つまりブログには書かれるのは夜に考えたことが多い。朝や昼にも色々と面白いことを考えてはいるのだが、夜になると忘れているのでブログに書けないのだ。この偏りは心理学専攻としては看過し難い。しかし1日のランダムな時間に書くというわけにもいかないので仕方ない。

というわけで夜の出来事を書くが、今日の帰り道もスリリングだった。23:30ごろに大学を出たらものすごい勢いでタブレットの画面を連打している人がいた。動かないソフトウェアを前にして連打を試みてしまうのは人間の性なのだろうか。怖くて近づけなかったので何をしていたのかはわからない。自宅近くでも酔っ払ったおっちゃんが車道をフラフラ歩いていた。

自宅近くの大きな道路は中央分離帯も立派だ。5mくらいの幅が有り、植え込みの高さも3mくらいはあるだろう。僕はいつか中央分離帯で一晩過ごしてみたいと思っている。毎日目にする場所でありながら、中央分離帯は上り車線でも下り車線でもなければ歩道でもない、いわば行動体としての人間にとっては空白地帯になっているのだ。目には見えるけれども足を踏み入れたことはない、そんな不思議な場所に惹かれる。

 

頭脳・月見・酒

※この記事は『極搾り りんご』を飲みながら書かれた。

僕の頭は常に悪いが、今日は特に悪かった。学科の発表会や研究室のミーティングがあったが、全然話についていけなくて辛い時間だった。一つ考えたのは活動限界で、今朝は9時に大学に来ていたので夕方の発表会やミーティングでは既にガス欠だったという可能性だ。

よくない。自分の至らなさを覆い隠すために「ガス欠」なる新概念を勝手に作るのは。

帰り道は道端に座り込んでいる人を4人見た。普段は0人なのでこれは顕著に多い。まず月見かなと思ったが、今日は満月の前日らしいのでこの説が正しいのなら明日はもっと多いはずだ。もう一つは季節。ここ数日急に冷えるようになり、季節の移ろいを肌で感じたくて外に座っていたという説だ。そんなわけあるかいな。

酒を買ったらテンションが上がりすぎて自宅に入る前に開栓してしまった。おかげで靴を脱いだり鍵を開けたりするのに苦労した。今日も無事に脳細胞を減らしている。悪い頭がもっと悪く。

久々にいかにも日記という日記を書いた。