昼食は食堂でヒレカツ・味噌汁・ご飯を注文した。トレーを運ぶ際に味噌汁を少しこぼしてしまった。さて、席についていざ食べようというときに問題が起きた。
僕は食べる前に皿の位置を正す。具体的には味噌汁は右手前、ご飯は左手前、そしておかずが奥だ。しかし運ぶときは味噌汁が左手前にあった。そしてそこにはすこし味噌汁がこぼれている。これが何を意味するかというと、ルーチンに従ってご飯を左手前に移動すると、本来汚れていない茶碗の底まで味噌汁で汚れる。さらに茶碗を持つときに手も汚れるだろう。
困った。合理的に判断すれば味噌汁による汚れを拡散しないために、今日ばかりは皿の位置を直さずに食べるべきだろう。しかしルーチンを破るのは気持ちが悪い。5秒ほどフリーズした後、僕は皿の位置を移動した。
それにしても、大多数の人間がトレーに載せられた味噌汁をこぼさずに運べるというのは凄いことだ。先日のロボコンで東大が優勝したらしいが(ちなみに僕はクラウドファンディングで東大RoboTechを支援している)、ロボットに難しい動きをさせるのと同じくらい、人間が滑らかに動ける謎を解き明かすのも面白いことだ。
人体の信号伝達速度から考えるとフィードバック処理はラグが大きすぎてとても滑らかな運動は実現できない。つまり運動信号の大部分は自分の体や外界のシミュレーションによって予め計算されているのだ。そしてそのために必要な膨大な計算を担っているのが脳のGPUとも言われる小脳である(参考)。
この辺は深入りすると長いので、終わる。