時間泥棒

今日は日曜にもかかわらず論文でも読もうかと思っていたのだが、ネトフリで配信している『フラーハウス』を7話まで見た。前作『フルハウス』は子供の頃のテレビで放送していたのを何度か見ている。『フルハウス』では男3人が娘3人を育てる話だったが、『フラーハウス』は女3人が息子3人を育てる話だ。アメリカらしい思い切った切り替えだと思う。

アメリカのドラマを見るのは好きだ。これまでだと『glee』『ビッグバン★セオリー』『プリズンブレイク』『ER』をそこそこ見た。やはり日本とは価値観やコミュニケーションの方法が違っていて面白い。また、日本語版が制作されるほどの人気作ともなれば当然脚本や演出のレベルも高い。メッセージ性と娯楽性をハイレベルで両立している作品がアメリカではヒットするようだ(日本のドラマは全然見てないのでよく知らない)。頻繁に取り上げられる社会問題としてドラッグ・虐待・差別などがあり、他にも退役軍人が尊敬されるとか家が広いとか、奨学金を返すのがしんどい(たぶん日本よりも借りる人が多い)とか、日本とは違う文化も読み取れる。

最近だと中国のアニメがよく日本で放送されている。『霊剣山』は神仙思想がベースにあってよくわからなかった。『TO BE HEROINE』はギャグの中にも社会制度の息苦しさを感じさせる描写がもりこまれていた。中国共産党による規制こそあれど、中国の文化に沿って中国語で作れば消費者は13億人。日本の10倍だ。これから伸びてこないわけがないだろう。人口の力という点ではインド映画も気になるところだ。『きっと、うまくいく』と『ムトゥ 踊るマハラジャ』しか見たことがないが…。

こうして海外の文化に触れてみると、逆に日本の文化が海外にどう受け止められているのかも興味深い。僕は日本のコンテンツだとアニメしかよく知らないのだが、学校文化はかなりドメスティックなものとして受け止められている気がする。

それにしても、国境を超えて様々なコンテンツに触れられるようになったというのは凄いことだ。僕が大学1年生のころはまだツタヤでDVDを借りていた。今思えばデジタルデータが記録された物理媒体を借りるために物理身体を移動させるというのは甚だ奇妙な話だ。最近ツタヤは減っているそうだが(僕の近所のツタヤも閉店した)、これは当然のことだと思う。

一方で古いマイナー作品で権利管理が不明などという状態の作品だと、市場に流通している物理媒体以外に見る方法がないものもある。たとえばおおすみ正秋監督の『走れメロス』はアニメファンの間では有名なハイクオリティ作品だが、合法的に見る方法はVHSしかない。ツタヤの総本山である渋谷・新宿はこのようなマイナー作品も多く取り揃えており、なくなって欲しくないと思う(今調べてみたら『走れメロス』は置いてなかった)。

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