犬ヶ島

友人に誘われ映画『犬ヶ島』を見てきた。映画レビューブログではないので映画の話はあまりしない。

犬は忠誠心が強い生き物として描かれることが多くそれを無批判に踏襲して良いものかと思っていたが、考えてみれば犬というのはそもそも忠誠心が強くなるように交配されてきた歪んだ生物、言ってみれば種そのものが人間のエゴなので、犬の忠誠心を強く描くことよりもそもそも犬を映画に出すこと、さらに言えば犬という生物が存在すること自体が批判されるべきことだった。

ちょっと調べてみたら家畜化以前も群れ社会を形成していたから忠誠心が強いという説明も見かけたが、それはそれで犬の本能的な性質を人間がハックして利用しているということなのでやっぱりエゴですわ。

エゴってなんだ。

“犬ヶ島” への2件の返信

  1. 猫飼ってるんですが、人間のエゴだとよく思います。ただ、少なくともうちの子は抱っこすらさせてもらえないので忠誠心は低いようです。それでも可愛いい。可愛さで人間をハックしてるのが猫で、神は人の上に猫を創ったのではないのかとたまに思います

    1. ハックという言葉には相手を搾取するという含みがありますが、よく考えてみれば猫は可愛さで、豚や牛は肉の美味さで人間をハックして人間からの保護を得ているわけで、弱い立場の生き物をエゴによって搾取しているというよりはもっと広い視点で共生関係を築いていると考えるべきかも知れませんね。猫は個体が保護されるのに対して家畜は種が保護されているという違いはありますが。

      他種の生物の本能行動を搾取するという意味で「ハック」という言葉を使っていたのはカッコウの托卵の文脈で使われていたからです。托卵されるオナガは一度されてしまうと本能的養育行動を「ハック」され、カッコウの卵を育てるしかありません。托卵されないためにオナガはカッコウを見るとめちゃくちゃに攻撃します(参考)。ただ、一方的な搾取である「ハック」は長続きしないはずです。托卵され続けたらオナガはいずれ絶滅するし、そうしたらカッコウも絶滅するからです。参考記事にもあるように数十年のスパンでは可能でも、数万年とかは無理なはずです。

      人間が猫をかわいがらずにはいられないのはなぜかと考えていましたが、ひとつの答えは「人間にかわいがられるような行動をとらない猫は淘汰された」でしょう。しかしこの説明は一面的なものです。猫のどういう行動が人間のどういう機能にはたらきかけているのかというレベルの答えにはなっていません。この答えを知るためにも猫を飼う必要がありますね。

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