force

銀杏の葉が敷き詰められた正門前の通りを歩いていると、歩いていたハトが飛び上がった。そのときハトの下の葉が勢いよく吹き散らかされ舞い上がったのを見て驚いた。鳥は軽々と飛ぶように見えるが、実は羽で力強く空気を押し出している。ただその力が見えていなかっただけなのだ。

スター・ウォーズのフォースもとても強い力を持つが、基本的には見えない。目に見えない力が世界にもたらす影響を初めてリアルに表現した漫画が『AKIRA』だったとかいう話をどこかで聞いたような気がする。基礎演習だったかもしれない。

基礎演習というのは文系の1年生の必修授業(今もあるかは知らない)で、自由に何かを調べて発表する中で学問の作法を学ぶ。僕のクラスでは趣味的なテーマも許されたので漫画やアニメを取り上げた人間もいたようないなかったような。なにせ5年前の話だからほとんど記憶がない。

そう、大学に入学してから5年以上が過ぎている。1年生の頃の僕は(誰もが、かもしれないが)フレッシュで、野心的で、びくびくしていた。自分にはまだ無限の可能性が残されていて今こそそれを開花させるときだと信じていたし、最低限恥をかかない服の選び方も知らなかった。力みが取れて自然に振る舞えるようになったのは3年生頃だった。6年目にもなると若い人たちの輝きが眩しくて、自分は長く大学にいすぎたかななどと思う。そう思えるようになるまでここにいられたのは幸せなことだ。

修論提出期限まであと110時間。

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