エキセントリック・レゾナンス

PCを自宅に置いてきているのでブログの更新が面倒だ。

さて、学会に来ている。トップ研究者たちによる口頭発表と全参加者によるポスター発表が二本柱だ。前者はボスの発表を聞きながら、院生や研究員たちが少しずつ困難を克服して積み重ねた知識がまとまってひとつの体系となる様子を見て興奮していた。後者はユニークな研究が多くあり、発表者は皆話したくてたまらない人たちなので盛り上がる。研究の話なら語彙が限られるので外国人の研究者とも普通に話せてそれも楽しい。

こんなとんでもない実験を組むなんてオメーイカレてんな、最高だぜ!というやり取りはアツい。特に自分と同じ問題意識を持ってる人だと。面白い研究は持ち帰ってラボメンに紹介しようと思う。

らしくない、大学院生っぽい日記だ。

口内炎

修論は提出したが、提出前の無茶な作業によって発症した口内炎はすぐには治らない。何を食べても痛くて楽しめやしない。食事はプライオリティの高い娯楽なのでここが辛くなると人生が楽しくない。

明日は早い。夜に現地入りして翌日から活動するというパターンだと、街の見え方が夜と昼で全く違って面白い。

修士論文を提出した

とてもスリリングな提出だった。

期限は4日の15時。製本済みでないと受理されない。4日の2時ごろ書き終わって上野のキンコーズに行ったが、なんと17時までかかるという。それでは間に合わないと訴えたら同じく24時間営業の秋葉原店に電話で確認してくれたがやはり間に合わない。

絶望的な気持ちで他の店舗を当たり始めたところ、運良く田町店が24時間営業でしかも間に合わせてくれるという。タクシーで急行し入稿した。その後始発で一時帰宅して仮眠をとり、10時ごろに完成品を田町店で回収。そのまま本郷へ行き、手作業で一箇所修正したのち提出に向かった。

提出場所には二つの机があり、右の机は博士課程に出願する人、左はしない人だった。まるで人生の分かれ道だと笑ってしまった。右は順番待ちだったが左は空いており、簡単な確認作業ののち受理された。

教授に提出を報告し、上野キンコーズ周辺に乗り捨てた自転車を回収した。帰宅後しばらく寝て、翌日の学会の開催地に向かった。今は大阪のホテルで書いている。

ラスト

完成したのに印刷周りで事故って提出失敗!!とかは絶対に避けたいので3日24時になったら印刷所に行こうと思う。最後の24時間が始まる。

ラストスパート

修論提出期間は4日15時までだ。いかに鈍い僕でもそろそろラストスパートのタイミングだとわかる。

いや、まあ同期はもう提出してるんですけどね。

force

銀杏の葉が敷き詰められた正門前の通りを歩いていると、歩いていたハトが飛び上がった。そのときハトの下の葉が勢いよく吹き散らかされ舞い上がったのを見て驚いた。鳥は軽々と飛ぶように見えるが、実は羽で力強く空気を押し出している。ただその力が見えていなかっただけなのだ。

スター・ウォーズのフォースもとても強い力を持つが、基本的には見えない。目に見えない力が世界にもたらす影響を初めてリアルに表現した漫画が『AKIRA』だったとかいう話をどこかで聞いたような気がする。基礎演習だったかもしれない。

基礎演習というのは文系の1年生の必修授業(今もあるかは知らない)で、自由に何かを調べて発表する中で学問の作法を学ぶ。僕のクラスでは趣味的なテーマも許されたので漫画やアニメを取り上げた人間もいたようないなかったような。なにせ5年前の話だからほとんど記憶がない。

そう、大学に入学してから5年以上が過ぎている。1年生の頃の僕は(誰もが、かもしれないが)フレッシュで、野心的で、びくびくしていた。自分にはまだ無限の可能性が残されていて今こそそれを開花させるときだと信じていたし、最低限恥をかかない服の選び方も知らなかった。力みが取れて自然に振る舞えるようになったのは3年生頃だった。6年目にもなると若い人たちの輝きが眩しくて、自分は長く大学にいすぎたかななどと思う。そう思えるようになるまでここにいられたのは幸せなことだ。

修論提出期限まであと110時間。

次へ

僕の修論は面白い結果は出なかったが、来年以降も誰かに引き継いで続けていきたいとのことで方法やら改善点やらは丁寧に書こうという方針になった(当たり前ではあるが)。

僕はどちらにせよ来年は大学にいないが、ずっといる人もいれば、次にくる人もいる。

修論がいよいよ切羽詰まってきて昨日までは随分と焦っていたが、今日は起きてからずっと平穏な気持ちだ。修論の切迫感も友人との世間話もどこか遠くの世界のものに感じられた。奇妙だ。覚悟ができたとか諦めがついたとかそういう見方もできるだろうし、あまりにヤバすぎて脳が感情にストップをかけているという見方もある。今こうしてブログを書いている僕にしてみれば苦しみが和らいでいるという事実が大事で、理屈はどちらでもいい。

グラフをmatplotlibで作っている。ExcelやLibreOfficeなどのGUIソフトで作るのも直感的で悪くないが、様々な形式のデータに対してグラフのフォーマットを一定に保つという点ではmatplotlibが向いている。むしろGUIソフトはマウス捌き次第で違うものが出来上がってしまうという点で苦手だ。

さすがにもう実験はやらないので実験用にしていたディスプレイを防音室から出して作業用にした。このディスプレイはWQHDだが、普段使うノートPCの外部出力はFHDまでしか対応していないので以前は画面中央のFHD分だけ使われていた。今日久しぶりに接続したときにもそうなると思っていたら、なんとWQHDが全面使えた。不思議だ。調べてみるとノートPCの仕様書には外部出力はFHDまでと書いてあるが、iGPUのIntel HD Graphics 4000はWQHDに対応している。

むしろ酷いのはノートPCの内蔵液晶だ。1366x768では今どき大した作業はできない。2013年に使い始めた頃は不便に思ったことはなかったが、今では全く不十分だ。PC環境を整える上で最も優先すべきは人間と直接ふれあう部分、具体的にはマウス・キーボード・ディスプレイだと思う。ここのストレスは処理能力のストレスに比べて影響が大きいからだ。

ノートPCは大学入学時に入手したもので、スペックは以下のとおりだ。

  • Core i5-3210M
  • 16GB RAM(自分でフル増設した)
  • 128GB SSD(光学ドライブを抜いて増設した)
    • 幸いにも光学ドライブはSATA3接続だったのでSSDを刺してもボトルネックは生じない
  • 500GB HDD(最初に入っていたのが壊れたので取り替えた)

読んでわかるように相当の愛着がある。しかし前述のディスプレイの狭さに加えてバッテリーが経年劣化によりフル充電からでも30分程度しか保たない、重い(2.5kg)、デカい(リュックに入らない)などの欠点もある。来年には新しいノートPCを購入するだろう。メーカーに特にこだわりはないがThinkPadのキーボードは打ち心地が素晴らしいのでLenovoかなあ。