ニコ生の安倍晋三と枝野幸男のインタビューを聞いた


この2つを聞いた。両方にほぼ同じ質問が投げかけられた部分があり、回答の対比が面白かったので紹介する。

なお「あー」「えーと」などの無意味な言葉は僕の裁量でカットした。正確に全文を聞きたいという人はタイムシフトで自分で見てください。

安倍晋三

夏野:もうひとつ経済政策の絡みでひとつの課題になっているのが、法人税が減税されてですね、企業はすごく元気になったと思うんですが、一方で上場企業の内部留保が巨大になってきていて440兆円も内部留保が溜まっていて、なかなか大企業が使わない。所得も上げない、株主にも分配しないって、今株主総会のシーズンなんですけど、どこの企業もこれ同じ問題、課題があるんですけども。コーポレートガバナンスの更に一層の強化みたいなことは、当然考えているわけですよね。

安倍:当然ですね、経営者の経営手腕が問われるわけでありまして、第四次産業革命、AI、IoT、ロボティクス、そしてデータ、そこにしっかりと投資できるかどうかが問われているのだろうと思います。投資を促すための我々、税制もこれはしっかりと作っているわけです。同時に人材にちゃんと投資をして頂きたい。そこでまたさらに大きな差が出てくるわけでありますから。それがまさに問われるだろうと思います。

夏野:AI人材に対する給与制度の問題とかいろいろ今、やっといろんなことが動き出してますけど、これはもう政権としては後押ししていく。

安倍:当然この、ゲーム・チェンジが起ころうとしている中においてですね、この第四次産業革命の中において日本がトップランナーとなるべくですね、総力を上げていきたいと思っています。

夏野:本当はなれると思うんですけどなんとなくなれない感じになってますが

枝野幸男

夏野:ずばり参院選の争点は何に。これだけ日本が転換点にあって、今回の選挙すごく重要だと思うんですけど、争点をどこに据えましょうか。

枝野:やっぱりいちばん皆さんの暮らしに関わっているのは経済をどうちゃんと本格的に回復させるかと。やっぱり企業収益起点の経済をずっとやってきて、それは昭和の時代成功してきたんですよね。企業収益をまず増やす。これがそこで詰まってしまっているともう、アベノミクス6年と言うより平成の30年ではっきりしたので、(夏野:いやもうまさにですね)まさに家計起点でやっていかなければならないと。家計所得をどう増やすかと。その家計所得を押し上げることについて、政治の持てる分配機能を使っていくと。企業を儲けさせるところじゃなくて家計を豊かにするところに資源を使う。

夏野:これはもう具体的に言うと法人税は上げたほうが良くってっていう。

枝野:法人所得税、所得を上げている法人に対する課税は強化する。

夏野:現実の話として問題なのはいま上場企業の内部留保が440兆円を超えてまして、つまり減税分の溜め込んだお金が結局給与所得にもならないし株式配当にもならないし将来投資にもならないで内部留保になっているという現状がもう数字として出てきてしまっている。

枝野:だから、その企業のためにも使い道なくて困ってるんですから、国に預けてくださいと。国が分配しますと。そうすると家計所得が上がれば消費が伸びますから。消費が伸びれば皆さんの企業の売れ行き上がりますから。こういう循環を作りましょうということです。

夏野:経済学的に言うとインフレターゲット論っていうのもそれに近いものだと思うんですけども、あの、名目の賃金が上がるので。ただ、結局これもマクロ経済はコントロールできないし。となるとやっぱりもう、再分配権を強行的に使うほうがいいという考え方ですね。

枝野:政治がやるしかないです。しかもただばら撒いたのでは持続可能性ありませんが、たとえば僕は一貫して言ってますが、介護職員とか保育士とか、非正規公務員のある種の部分、たとえば公立学校の非正規の教員。ここも低賃金重労働人手不足になってますから。公立学校の先生が非正規で集まらないという事態が出てますので。これは経済の原理からすれば賃金上がるはずなんで。人手不足なんですから。その分野に行っていないのはそこに資源配分をしてないから。そういうところから順番に上げていきます。
それからサービス残業やめさせます。労働基準局がやりやすい下請けの中小零細からやるんですよ。ダメだと。元請けからやれと。元請けがちゃんとやらないと下請けはもたないので、元請け大手からガンガンサービス残業を取り締まれと。そうしたらサービス残業の分人を雇うか、それともサービス残業じゃなくて残業代を払うか。これで家計膨らみます。こういうところからやっていきます。

夏野:安倍政権下で働き方改革というのが、全く上手くいかないかと思ったんですけどかなり浸透してきましたね。だからタイミングとしてはいいタイミングですね。

枝野:サービス残業やったら刑務所放り込むぞというようなこと2,3例、特に大手の目立つところでちゃんとやったら払いますよ。払うか人を増やすかどっちかしますよ。

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