詐欺師の才覚に目覚めた修論発表

今日は修論発表だった。順番が遅かったので16時過ぎまで異常な気持ちの乱高下を体感しながら助教と雑談などして過ごした。自分の番が来た瞬間は胸が苦しくて最悪の気分だったが、教授らが待つ部屋に入ってPCを接続し、大きく深呼吸をして発表のタイトルを読み上げ始めた瞬間に緊張はすぐに吹き飛んだ。まさに「覚醒」したという感覚だった。

通常時よりはやや高い覚醒状態を保ちながら、大きな声ではきはきと。スライドの画面を見るだけで話すべき内容がスラスラと整った文章で浮かんできた。身振り手振りは大きく、レーザーポインターも使って、聞き手の一人ひとりの目を見ながら20分間の発表をこなした。

続いて質疑。考察よりも方法と分析に多くの質問が来た。ときに沈思黙考を強いられる場面もあったが、焦りはなかった。30秒ほど考えて真正面から回答することができそうもなければ、切り口を変えて回答した。調べていない・覚えていないから答えられないこともあり、その場合ははっきりとそう答えた。落ち着いていた。100%の回答でなくても厳しい追及はなかった。就職する学生に厳しいことを言っても意味がないと思っているのか、はたまた単に疲れていたのか。というのも今年は例年になく修士修了者が多かったのだ。

15分ほどで質問が出尽くし、退室を命じられた。聞いていた話だと質疑のあとに進路に関する世間話が行われるとのことだったが、なかった。

退室してから改めて自分の異常なトーク力の覚醒に驚いた。これは詐欺師の才能だと思った。研究の内容も発表の準備も大したことない、なのに僕は自分でも驚くほど自信たっぷりに堂々と話していた。トーク力だけで世を渡っていく口から生まれた文系太郎だ。

もちろんそうであってはならないと思っている。話すに足る内実を兼ね備えた人間でありたい。

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