2日目
3日目からは日帰りか1泊程度でどこかに行こうと考えていたのだが、考えるほどに特に行きたい場所が思いつかず、自分はなんて内向きでつまらない人間なんだろうと落ち込んでいた。
流れついて三県境
古河駅前
特に計画は立てられなかったが、なんとかなれーと思いながら電車で北へ。適当に乗り換えながら進んでいった結果、古河駅で一旦電車が途切れた。古河は茨城の西端の市だ。地図を見るとどうやら昨日一瞬調べた三県境が近いようなので、行ってみることにした。
古河駅から西へひたすら歩く。途中までは商店街で(謎にうなぎ屋が多い)、だんだん住宅や駐車場の割合が増えてくる。
三国橋
渡良瀬川を渡る三国橋が、素晴らしい絶景だった。巨大な渡良瀬川と整備されたゴルフ場、その手前の草地を橋の上から見渡すスケール感は普段の生活風景とは別世界で、写真では伝わらないが空も雄大で非常に気持ちが良かった。自然の豊かさや景観なんて全く意識しない適当な旅だったにもかかわらずこんな体験ができるとは思ってなかった。
渡良瀬川土手
橋を渡ったあとはしばらく土手を進むのだが、ここで運良く夕焼けを眺めることができた。これもまた格別に素晴らしい。空を遮る高層ビルがない広い平野に夕焼けが差し込み、空のグラデーションを背景に重層的な雲が複雑に彩られる。こんなに美しい空を見たのは何年ぶりだろう。
墓の頭頂部が反射光で輝く珍写真も撮ることができた(これいる?)
僕の祖父と高祖父は船乗りだったが、僕はこういう広大な平野に心惹かれる。遠くまで見渡せて、せいぜい2階建ての一軒家、農地、墓、線路、空に突き出すのは高圧電線だけで、遠くには山の稜線。美しいなあ。
三県境
三県境は農地の間にありちょっとした広場になっている。右側の箱にはスタンプと旅行者ノートが入っている。まあ、ただ県境という概念があるだけで特にすることはない。それがすごく良いなと思った。
旅の目的を事前にしっかりと決め込んでしまうと、それをクリアするチェックポイント通過型の意識になってしまいがちだ。だとすれば、発想を逆転させて、本当にチェックポイントとしての意味合いしかない場所を目的地にするのはいいアイデアかもしれない。そうすれば「どうせ着いたところで特に何もない」と思いながら歩くので、歩いている過程に集中して楽しめるようになる気がする。
この直後に日が暮れて真っ暗になってしまった。ここから最寄りの柳生駅までは農地の中の道で街灯が少なく、結構怖かった。
帰宅
柳生駅から東武日光線で栗橋駅へ。後はJRでどこへなりとも。実はここで再び北上して宇都宮で飛び込みの宿を取って翌日更に北上という攻めたプランもあったのだが、何も想定してなかったせいでスマホの電池が既にギリギリだったこと、南下する電車が先に来てしまったことなどからおとなしく帰宅した。足も痛かったしね。
古河は茨城で、三県境は群馬・栃木・埼玉なので今日一日で4県を制覇したことになる。1日目の上野を合わせれば5県だ。となると残りの休日でやるべきことは、千葉と神奈川を踏破して関東コンプリート…?
やるかどうかは未定です。