私が普段いる文学部の建物にアライグマが住み着いているらしい。少し知識がある人なら知っているだろうが、アライグマはかわいい外見・イメージに反して迷惑な害獣だ。現に我々も糞害に苦しんでいる。駆除することになるだろう。
文学部の建物は地面を掘り下げて建てられており、その掘り下げた建物周囲の幅1〜2mの地下エリアをねぐらにしているようだ。このような建築になっている理由は地下の部屋に日光を取り入れることだろう。しかし実験室に日光はご法度で、視覚の研究室は暗室を使っている。この建物は古く、電気設備にもたびたびトラブルが発生して犠牲者(PC)が出ている。率直に言って研究には不便だ。壊して建て替えて欲しいのだが、文化的価値によってそう簡単にもいかないらしい。またこれは友人から聞いた話だが、特別な工法を用いていて建物をそのまま横倒しにしても壊れないほどの耐久性があるらしい。これでは祈祷で天災を呼ぶ手も使えない。
「獣」と入力して『獣の奏者』シリーズを思い出した。上橋菜穂子による全4巻のファンタジー小説だ。『守り人シリーズ』や『鹿の王』も読んだ。文化人類学のセンスを取り入れた異文化・異種族間の交わりを正面から描く力のある作家だ。
そういえば最近まっとうな読書をしていない。ぼんやりと小説を読めるような時間が欲しいが、そんなものはこの先一生手に入らないような気もする。