最近身の回りの貼り紙の多さが気になっている。住んでいる集合住宅にも、通っているジムにも、貼り紙がどんどん増えている。
貼り紙とはなにか。建築物や施設において、その運用上の問題について、利用者に知らせたり、行動変容を促したりする簡易的な掲示物のことである。具体的には以下のようなものがある。
- 外壁が剥がれかけているので頭上に注意
- 宅配ボックスの中身は早めに取り出せ
- 水風呂で頭まで潜るな
- 体を洗ってから浴槽に入れ
ではなぜ運用上の問題が生じるのか。それは施設と利用者の行動が適合しないからだ。
第一に、施設の側の劣化がある。1がこれに該当する。形あるものは全て壊れるので、これを避ける方法はない。せいぜい早く修理しろというくらい。
第二に、利用者の行動に起因するもの。2~4はこれに該当する。この種類の貼り紙の問題は根深い。貼り紙程度では人間はすぐに慣れてしまうため利用者の行動変容を促す力は弱く、問題行動は解決しない。苦情は出続ける。運営者は根本対応するリソースがない(もしくはその方法がない)ため、低コストな貼り紙を追加し、それをもって苦情に対応しましたというポーズを取る。剥がすインセンティブは無い。このループで貼り紙は増殖する。
貼り紙の増殖を、ハコモノと人間のタイムスパンの差、根本解決の腰の重さ、減らすインセンティブの弱さから説明した。そしてこれはソフトウェアのコードとコメントの関係にもなかなかよく当てはまるのではないか。ソフトウェアはハコモノよりは根本解決が容易だけど、容易とは言ってないんだよなあ。